こんにちは!離婚情報を提供している弁護士のるいです
今回はInstagramのフォロワー様から審判について質問がありました
婚姻費用調停が審判へ。抗告されたらどうなりますか?覆ることはありますか?
審判というのは簡単にいうと、調停で話がまとまらなかった際、家庭裁判所が結論を出すという手続です。審判に移行するかは事案によって異なり、離婚の調停は審判には移行しません。抗告について、結果が覆るかは後述しますね!
現在進行形で調停中の方は、長い時間をかけて結果を出したのに相手が拒否したらいつ終わるの?どういう手続の流れなの?と不安に感じると思います
そこで今回は、審判に対して抗告がされた際にどのような手続となり、抗告が認められたらどうなるのかをできるだけわかりやすく解説します
今回は婚姻費用を念頭に話を進めますが、基本的には他の審判も同様の手続となります
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即時抗告とは?
審判の内容に不服がある場合には、即時抗告をすることができます
即時抗告とは簡単にいうと、裁判所に対して「もう一度考え直してほしい」とお願いすることで、通常の裁判でいう「控訴」に当たります
即時抗告をするには、2週間以内に即時抗告の申立てをする必要があります
厳密には、審判書を受け取った日の翌日から2週間以内に、抗告状を提出する必要があります
審判書を受け取っても、しばらくは安心できないということですね…
誰が決める?
調停で話がまとまらず、審判となった場合は、家庭裁判所が審判内容について結論を出します
しかし、即時抗告がなされた場合、今度は家庭裁判所ではなく高等裁判所が審判内容を改めて審査することになります
裁判官も人間なので、裁判官によって結論が変わることもあります
どうやって決める?
まず、即時抗告をする側は、抗告状や抗告理由書(抗告の理由を記載した書面)を
当該審判を下した家庭裁判所に提出し、新たな証拠がある場合にはそれも提出します
抗告する人は、納得いかない!という感情論だけではダメだということです
高等裁判所が審判内容を審査した結果、家庭裁判所の下した審判が変更されることがあります
また、新たな証拠が出されない場合、「家庭裁判所の下した審判が法的に問題がある」
と主張することもありますが、確定までの時間を稼ぐために即時抗告がなされることも一般的にはあります
どのような場合に時間を稼ぐの?
特に、お金の支払いが命じられてしまうというケースでは、お金を工面するといった事情などから、時間稼ぎのために抗告をしたいという希望がなされることがあります
なるほど…
また、質問者様が懸念されていた結果が覆るかどうかに関しては、その可能性はあります。ただし、結果を覆えすことができる程の十分な理由と証拠を配偶者が準備できた、もしくは家庭裁判所の審判に問題があった場合の話となります。
即時抗告が認められたら?
高等裁判所が、家庭裁判所の判断を覆した場合、原審判の結果は無効になり、高等裁判所の決定が効力を持つようになります
高等裁判所の判断に不服がある場合は、特別抗告・許可抗告という制度があります
ただし、特別抗告や許可抗告は、憲法違反や最高裁判例と相反する場合など極めて限定されています
特別抗告をする場合には、決定書受領後5日以内に抗告状を提出する必要があります
よほどのことがない限りは、即時抗告が認められた後は覆らないということですね
まとめ
今回は審判に対して抗告がされた際にどのような手続となり、抗告が認められたらどうなるのかについて解説しました
簡単にまとめると
・即時抗告がなされた場合、高等裁判所が審判内容を改めて審査する
・即時抗告をする側は、抗告状や抗告理由書、新たな証拠(ある場合)を提出する
・特別抗告や許可抗告はなかなか認められない
ちなみに調停は弁護士をつけずに進めていた方もいるかと思います
しかし、調停から審判に移行した場合や抗告された場合は、弁護士を就けた方がいいケースが多いです
弁護士費用を安くする方法についても過去に書いています
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